小澤輝真代表取締役 受刑者受け入れに積極的な北洋建設株式会社

会社

余命宣告を受けた社長 小澤輝真氏

北洋建設株式会社の社長小澤輝真は2012年にご自身の父親と同じ進行性の脊髄小脳変性症を発症され、余命宣告を受けた社長です。1974年北海道札幌市生まれで、2009年に放送大学教養学部卒業、2012年に日本大学経済学部卒業されています。
脊髄小脳変性症は小脳などの神経細胞が少しずつ萎縮していく病気で言語や運動機能に障害が出てきます。徐々に会話をしたり、歩行が困難になっていく恐ろしい病気で、小澤社長は当時医者から余命はもって10年と言われたそうです。

受刑者の居場所をつくる

小澤社長は受刑者の居場所を作ることを目標に受刑者を積極採用しています。日本では一度でも罪を犯した人は就職することが非常に難しい現状があります。職につけない元受刑者は国の税金によって、生活費が賄われることになりますが、受刑者が定職について、住む場所を持つことができれば、本人も自立した生活が出来て幸せだし、納税者として社会貢献もできるとの発想です。
北洋建設では社員62人のうち、なんと13人の受刑者を雇用しています。

国の法律も変えた

小澤社長は自らの会社で受刑者を積極採用するだけでなく、その経験をもとに意見書を法務省の山下大臣に提出し、法改正を実現しています。北洋建設のように受刑者を更生し、社会をよりよくするためには国からの助成金の活用が必要と直訴します。2016年に念願がかない、「再犯の防止等の推進に関する法律(再発防止法)」が制定されました。この法律は仕事や住居のない出所者のために職員行や住居の確保、刑務所などでの職業訓練の推進を謳うものです。
小澤社長は余命宣告以降の残された時間を意識して、以前にも増してより積極的に元受刑者を受けいれを進めると同時に、なんと大学院へも進学しています。専攻は犯罪者雇用学、修士論文のテーマは「職親、協力雇用主、更生保護における再犯等の考察」で官民による再犯防止のための取り組みを整理し、それぞれの内容と問題点を指摘することで、企業の元受刑者を雇用しやすい環境づくりを強く訴えています。
難病発症後も社長の重責を担いつつ、受刑者の環境改善に取り組まれている小澤社長のように、自分の人生を精一杯生きれる人でありたいですね。

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