川尻征司HappyDay社長 今の時代に愛社精神は必要か

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人材コンサルティングの会社を経営する川尻征司さんは、最近の風潮に対する研究を行っています。なぜなら風潮に従って人材のトレンドが大きく変わる恐れがあるからで、会社に何を求めるかがだいぶ異なってくるというのです。会社に対して帰属意識、愛社精神を持つのが当たり前な時代から大きく変わり、仕方なくその会社に入っているのか、はたまた自分の夢を追いかけているのか、それぞれの社員が様々な考え方をするようになっています。

愛社精神は今の時代に必要なのか

そもそも愛社精神とはどういうものを指すのか。愛社精神は文字通り、自分が所属する会社を愛する精神であり、その愛が強ければ強いほど会社のためにいかに自分が貢献できるかを考えるようになります。そのため、企業は愛社精神が高められるような施策を打ちます。例えば会社を挙げて行うイベントで、お花見や社員旅行、運動会などがその1つです。近年縮小傾向にあったこうした社内イベントを復活させる動きも出てきていると言います。

その一方、この時代に愛社精神は必要なのかと川尻征司さんは考えます。会社側にとっての愛社精神は、経営者にとって扱いやすい社員を1人でも多く育てていくことを指しており、労働者側とは異なります。以前であれば労働組合に属し、賃金を上げるように要求するのが普通でした。現代ではそんなことをすれば愛社精神があるとは思われません。結局のところ、会社にとって御しやすい人物が愛社精神があるということになりがちです。

その程度の愛社精神は本当に必要なのか、労働者は経営者側にとって扱いやすい人間である必要はあるのかと川尻征司さんは強い警戒感と現状の風潮に対する苦々しい思いを隠しません。

愛社精神はもはや必要ない時代

労働者側が会社に従属してもいい理由として待遇にあります。どんなことがあってもリストラは行われない、コツコツと仕事をしていれば年収は増える、こんな時代であれば愛社精神を出せば出すほど昇給昇格につながっていました。会社に反旗を翻すことなんか損でしかなかった時代です。川尻征司さんはこの時代であれば愛社精神は必要だったかもしれないと考えますが、この時代から大きく変わってしまったのは明らか。

とっくの昔に終身雇用や年功序列は音を立てて崩れ、実力主義を標榜する企業が増えています。運動会や社員旅行などはいわば無償の愛のようなものだったのが、会社によっては社員旅行がご褒美になりつつあります。成績優秀者をつれて海外旅行にいく、それが社員旅行になろうとしています。このような状況で愛社精神なんかもったところで、意味がないのではないかと川尻征司さんは考えます。そして愛社精神をはぐくむ施策すらムダではないかと踏み込みます。

新たな愛社精神のカタチ

川尻征司さんにとって現代でも通じる愛社精神のはぐくみ方として、会社が一丸となって社員のスキルアップに励んでいくことが大切であると考えます。例えば資格取得に向けて会社が費用を負担し、お祝い金や資格手当を出してサポートするのもその1つです。近年実力主義を標榜する会社では資格取得に関する施策を数多く行っており、スキルアップに会社が尽力し、会社に育ててもらったという意識を養わせることに力を入れています。

会社が面倒を見てくれないので自分で頑張ったという意識があればあるほど愛社精神はなく、金の切れ目が縁の切れ目とばかりに年収面で離職する恐れが出てきます。しかし、誰かに育ててもらったという経験があれば会社を簡単に見捨てることはしません。確かにアメリカナイズされた考えを持つ日本人は増えましたが、現状では義理を重んじる日本人はまだまだ多く、多少年収面で低くなってもその会社に残ろうとする人はそれなりにいるはずです。

お祝い金や資格手当は会社側にとってムダな投資にはなりにくいです。例えば、不動産業界であれば宅建が有名な資格になります。この宅建はそう簡単に取得できるものではなく、時間と経験が必要です。お祝い金や毎月の資格手当を出しても宅建の資格を持つ社員は確保しておきたいのが実情です。その宅建取得に向けて会社が全力サポートをすれば、社員は会社に対して感謝の気持ちを持つはずです。これこそが愛社精神を育ませるポイントになると川尻征司さんは考えます。

まとめ

川尻征司さんにとって愛社精神はあまり必要がないものだと考えています。もしも愛社精神を植え付けたいとするならば積極的に手当を出したり育成に力を入れたりするべきだと断言します。お金をかけずに愛社精神は育まれない、その考えを持つ経営者がどれだけいるのか、もしかすると少数派ではないかと川尻征司さんは危惧します。

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